美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 すると、店の入り口のドアが静かに開いた。そこから出てきたのは翔と七海だった。二人は軽く会話をして、七海は店の駐車場の方へ、そして、翔は沙羅の待っているタクシーの方へ向かって歩いて来る。
 沙羅は我慢ができず、タクシーから飛び出した。
 あの時の発砲音が、沙羅の頭の中で今でも駆け巡る。翔に当たってしまったのではないかって… 
 皆から大丈夫と言われても、心配で心配で気が狂いそうだった。今、元気に歩いて来る翔を自分の目で確認して、一気に感情があふれ出る。
 でも、翔は慌てて駆け寄る沙羅を見て、笑っている。いつもの可愛らしい笑顔で、そして、いつもと何も変わらない余裕のある表情で。

「翔、ご、ごめんなさい…」

 この一言を伝えるのがやっとだった。沙羅の目からあり得ないほどの涙が溢れ出る。怖かった思いより、後悔の思いが強かった。
…ごめんなさい、ごめんなさい。
 翔はそんな沙羅を引き寄せて、力強く抱きしめてくれる。