「私…
そんな事何も考えないで、翔を巻き込んで、こんな危険な目に遭わせてしまった…
翔は何度も会うのを止めろって言ってくれたのに…」
沙羅は涙が止まらない。そんな沙羅の肩を七海は優しく撫でてくれた。大丈夫、大丈夫と囁きながら。
それからどれくらいの時間が経ったのだろう。沙羅は警察車両の中で刑事から何個か質問を受け、その後、駐車場に待たせておいたタクシーに乗って翔を待った。
七海はその刑事と話し込み、そして、店の中へ入っていく。
沙羅はその場で待つしかなかった。タクシーの運転手は翔の事をよく知っているらしく、七海と同様、何も心配しないでいいと言ってくれた。
それでも、沙羅は後悔で胸が張り裂けそうだった。何度も何度も龍也に会う事を止めるよう促していた翔の顔が、頭から焼き付いて離れない。考えれば考えるほど、自分の人の良さに、いやそれ以上に頭の悪さに吐きそうになる。
龍也の見た目だけの思い込みで、翔の意見を受け入れなかった自分が許せなかった。もう、あとの祭りだけれど…



