美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 翔はテーブルに手を付いて身体を浮かせ、龍也の右手を右足で蹴り上げた。それはほんの数秒の出来事だった。翔に右手を蹴られた龍也は、まだ訳が分かっていない。でも、蹴られたピストルはその衝撃で大きな音を上げて発砲した。その銃弾は天井の照明器具に当たり、ガラスの破片が飛び散った。



 沙羅はその発砲音を店の外で聞いた。

「翔…」

 大きな声で叫びたいのに、恐怖のあまり声が出ない。沙羅は龍也が銃を持っていたなんて想像もしていなかった。翔の状態を考えると怖くて息ができない。

「沙羅ちゃん、初めまして。
 俺は七海と言います。翔の同僚だから安心してね」

 沙羅は七海の顔を見るけれど、翔の事が気になって笑顔になれない。いますぐにでも翔の元へ駆け寄りたくて、七海の手を振りほどいた。でも、すぐに七海に腕を掴まれ引き寄せられてしまう。