美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



「ごめんね~」

 七海はそうやって冗談めいた言葉を発しながら、とっさにその男の怪しい動きを封じ、ドアからその男を廊下の方へ突き出した。その男は廊下の壁に身体を打ち付け、しばらく動けない。
 入り口の方でドタバタと音がしたせいで、龍也も沙羅も驚いてそっちの方へ目を向ける。沙羅の腕を掴む龍也の手の力が、一瞬、緩んだその隙に、翔は沙羅の違う方の腕を握り、自分の方へ引き寄せた。すぐに気付いた龍也が沙羅の腕を掴み直そうとしたその時、翔は沙羅を七海の方へ突き飛ばす。翔の動きをちゃんと理解している七海はすぐに沙羅をキャッチして、そのまま個室から連れ出した。

「行くな~~~」

 龍也が獣のような声で叫んだ。その声は地鳴りのように建物中に響き渡る。
 翔はすぐさま龍也の動きに違和感を感じ、龍也の前に立ちふさがった。
 龍也は何かを思い出したように、上着の内側のポケットに手を突っ込んでいる。そして、ポケットから取り出した物は超小型式のピストルだった。