翔はそんな事を言う七海をきつく睨んだ。
「沙羅に何かある前に、俺は沙羅を守る。
七海の事情は俺にとっては何もメリットはない。そんな事、言わなくても分かるだろ?」
七海は翔の手をそれでも離さない。二人で画面に映る龍也を見ながら、翔は渋々と椅子に深く座り込んだ。
「沙羅ちゃん…
俺は沙羅ちゃんの事をすごく憎んでた…
あの頃の天使のような可愛い沙羅ちゃんを思い出して、大好きなんだけどそれと同じくらいに憎しみも倍増して…
でも、大人になった沙羅ちゃんをSNSで見つけた時は、自分の人生を変えるチャンスだって思えたんだ。
大人になった沙羅ちゃんを写真で見た時、一瞬で心を奪われた。子のども頃と同じだった。やっぱり俺は誰よりも沙羅ちゃんが好きだって、その時はっきりと沙羅ちゃんとの運命を感じた。
子どもの頃は、自分の意思で何もできなかったし、自分達の気持ちを置き去りにするしかなった。
でも、今は、二人とも立派な大人で、愛し合う事に邪魔なんかさせない」



