「翔、紅茶を飲んでリラックスしない?
何だかお腹がすいちゃった」
翔は沙羅のそんな表情に戸惑っている。
沙羅はすぐにお茶を淹れる準備を始めた。美味しい紅茶とお菓子を食べたら、もっとリラックスできるはず。翔の気難しい顔をいつもの可愛い笑顔に戻したかった。
でも、翔はまだスマホをいじっている。
それがどういう意味を持つのか、この時の沙羅は全く分からなかった。
翔は沙羅の淹れた紅茶を美味しそうに飲んでくれる。つかの間に見える翔のリラックスした表情は、沙羅にとって癖になりそうなほどの癒しだった。
ほんの数日の間でこんなにも人を好きになる事自体、沙羅の中ではまだ半信半疑だ。いや、半信半疑でいたいのかもしれない。翔にフラれた時の衝撃を少しだけでも和らげたいと、沙羅の身体や頭が防衛反応を起こしている。
「沙羅?」
翔の正面に座ってぼんやりとしている沙羅は、慌てて顔を上げる。
「今、俺達が把握している龍也の情報を沙羅にも伝える。
この話を聞いて、龍也に会う、会わないの判断をもう一度してほしい」



