「俺は沙羅が龍也にどうしても会いたいっていうのなら、それはそれで対策を練るだけだと思ってる。
沙羅にとっての最善を考えるのが俺の仕事だから」
翔はそう言った後、沙羅の顔を覗き込む。そんな翔の瞳はこんな時でも優しかった。
「分かった…
龍也君にそう提案してみる」
沙羅は翔から少し離れた場所へ移動して、スマホを操作し始める。あの近さで龍也へのメッセージを考える余裕はなかった。
翔はそんな沙羅を楽しそうに眺めている。翔は全く切羽詰まっていない。そんな翔の姿は沙羅に温もりのような安心感を与えてくれる。
「じゃ、明日の件でちょっと話し合いをしよう」
「え、まだ、話す事があるの?」
翔は前もって置いていたアタッシュケースから何点か不思議な物を取り出した。
「まだ、何も話してないじゃん」
翔はテーブルの上に超小型タイプのワイヤレスイヤホンとシルバーのファッションリングを置いた。



