美魔男の完璧な仕事に心が溺れる

 

 “俺は沙羅ちゃんに会いたい… 
沙羅ちゃんは俺に会いたくないの?”

 そんな言葉がスマホに映し出される。龍也のストレートな気持ちは沙羅にしっかりと届いた。

“龍也君が忙しそうだからそう思っただけ 
無理はしてほしくない 
SNSでも十分楽しめるし”

 そんな龍也に対して強気に出れない自分が情けなかった。数日前までは、沙羅自身が龍也と会う事が楽しみでしょうがなかった。龍也と連絡を取り合うたびにすごく盛り上がっていたのに、今さら会いたくないなんて、やっぱりそんな事言えない。

“待ち合わせの場所が変更になる事はほんとにごめん 
今夜中にはちゃんとした場所を伝える 
それまで待っててほしい 
ほんとにごめんね”

 沙羅は“OK”と返信をして大きなため息をついた。自分の優柔不断さに落ち込んでしまう。でも、沙羅も龍也もこの日のために準備してきた。沙羅が日本へ来る目的は龍也に会う事で、龍也も沙羅に会うために仕事を調整して東京へ出てきてくれる。
 それに、やっぱり龍也が悪い人には思えなかった。あの子どもの頃の優しい笑顔は、今も変わらず龍也そのものだから。