「鈴原って昔からこの辺住んでんの?」

「ずっと住んでるけど、あんまり外出したことはなくて」

「インドア派なんだ?」

「そういうわけでは…」


駅から学校に行くまでの間、佐々木くんと話しながら歩く。

それは、同じように歩いている春白や黒夏の生徒には珍しく見えたのか、ジロジロ見られている気がした。


「あの…佐々木くん」

「なに?」

「見られてるような気がするんだけど…」


ただでさえ目立つ容姿の佐々木くん。

それが春白の私と一緒に歩いてるなんて、目立つに決まってる。


「あー、春白のお嬢様は黒夏のケダモノは苦手そうだしな」

「まぁ…怖いし」

「鈴原は?俺のこと嫌い?」

「佐々木くんは私のこと助けてくれたから、嫌いじゃない」

「じゃあ俺も鈴原のこと好きー」


佐々木くんはヘラヘラ笑いながら言ってるけど…

……この男は本当に、自分の行動や言動を反省したほうがいいと思う。