「全然いいって。いつも現地で仲良くなった人と一緒にバーベキューしたりするし。
家族だけの空間って感じじゃねーからさ」
「じゃあ、お父さんの許可を…」
「なんなら、蓮司と嫁も連れて両方の家族総出で行きゃいいんじゃないか?」
いつの間にか話を聞いていた社長さんが、私の肩をポンと叩いた。
「その時は蓮司の仕事は美宙にでも手伝ってもらうし。
蓮司も家族で出かけたいだろ」
『なぁ?』と社長さんがお父さんに問いかけると『……そりゃあ、まぁ…』とお父さんの返事がきた。
「1週間程度の穴ならどうとでもなる。
おまえもゆっくり家族と過ごす時間があってもいいだろ」
「社長…いいんですか?」
「そこまでは困ってないからね。
美宙には悪いけど、アンタは羽伸ばしな。
昔は散々使っちまったからね。
壊れないようにたまには休め」
「……(今まで休ませてくれなかった人がよく言う…)」
「なんだ蓮司、文句あるか?
文句があるなら働いてもいいんだぞ?」
「いえ、お休みをいただきたいです」



