金髪くんの一途な愛






あゆさんがお父さんのファンだったり

常連さんがお父さんの会社の社長だったりで

大人は大人たちだけで話が盛り上がってて、私は少し離れたところで侑真くんとカウンター越しに話してた。


「なんか…盛り上がってて入りにくいね」

「大人は大人で楽しんで、
俺らは俺らで楽しめばいいじゃん」

「うん、そうだね」


はい、と目の前に出されたメロンソーダをストローで啜った。


「春白って夏休みの宿題多い?」

「ううん、そんなに。
休み前の試験で赤点だと多いみたいだけど」

「そうなんだ。
黒夏は全然なくてさ」

「いいなぁ」

「でさ、俺んち毎年夏休みにグランピング行くんだけど、
時間に余裕あったらでいいから、日菜も来ない?」

「え?」

「母さんと父さんと、あと妹も、日菜に会いたがってるし」


うちの両親と侑真くんは会ったけど、

私は侑真くんの家族は、小さい頃に顔を見ただけだもんな…。

きちんと挨拶もしたい。でも…


「家族で行く行事に私が参加って…邪魔じゃない?」


さすがに忍びないのだが…。