「俺が昔少年野球やってたのは言っただろ?
その時コーチやってたのがあゆさんなんだ」
じゃあ、ここ知り合いのお店って言ってたけど
知り合いってマスターさんじゃなくて、あゆさんのことだったんだ?
「そうだったんだぁ」
「……なに、その顔は。
なんで俺の頭見てんの?」
「えっ!
いやぁ…坊主の侑真くんを想像して…」
「しなくていいから!」
カッコイイままでいさせてくれ!と言う侑真くん。
坊主でもカッコいいと思うけどなぁ。
ボーッと侑真くんを見つめてたら
あゆさんが急に『えっ!!!?』と大きな声をあげた。
「ちょっと待って…
もしかして…神谷蓮司さん…?」
あゆさんはお父さんを見て言う。
それにお父さんは、ペコリと会釈をして
「そうです。
今は神谷じゃなくて鈴原ですが」
やっぱり注目されてた頃の栄光は捨てられないのか、隠す気0のお父さんは普通に自己紹介してた。
「やだ!ウソー!
あたし大ファンだったんですよ!
え、こちら娘さん!?やだ蓮司様に似て美人さんね〜!
あれ?でも今日は侑真の彼女が来てるって…」
「だから、彼女」
「えーーーっ!
侑真の彼女って蓮司様の娘さんだったのー!?」



