「はい。
あの、お父さんのことを守ってくれてありがとうございました。私たちのことも。
これからもお父さんのこと、よろしくお願いします」
社長さんに深くお辞儀をすると
社長さんは『あっはっは!』と豪快に笑った。
「いや〜ホントに蓮司の娘?よく出来た子だ。母親似か?
侑真も惚れるわけだ。イケメンキラーか」
社長さんがフッと笑ってると
奥からさっき『あゆさん』と呼ばれてた女の店員さんがまた顔を出した。
「おまたせ〜。
今日も侑真にはフラれた?」
「あぁ。もう勧誘は諦めた」
「あら残念。
侑真ってばせっかくの誘いを断ることないのに〜」
「嫌ですよ」
「まぁ侑真に芸能人は無理かなー。
今はこんなカッコいい感じだけど、
小学校の時は坊主だったんだよ?」
「えっ!!」
店員さんの言葉に、私が反応してしまった。
「侑真くん…坊主だったの?」
「……まぁ…野球少年だったから…」
い、意外だ…!



