お父さんの、知り合い?
「なんでここにいるんだよ社長!!」
え……
「「社長!?!?」」
私と侑真くんの声が重なる。
この人が…
お父さんの会社…というか、芸能事務所の社長さん…!?
「しかもさっきの口ぶりからすると初めてじゃないですね!?
いつから彼を事務所に誘ってたんですか!」
「侑真がバイト始めた頃だから、
3ヶ月くらい前からだな」
「そんな前からいつの間に…っ!
社長、今はそんなホイホイ人入れたらまわらないって言ってるでしょ…!」
「いや、侑真は逸材だ。
絶対にウチの稼ぎ頭になってくれる」
脚を組み、お父さんと言い合いをする社長さん…。
……って、芸能事務所の社長ってことは。
「侑真くん…芸能界に誘われてたの?」
たしかに顔はキレイだし、映えると思うけど…
まさか芸能事務所の社長さんに目をつけられてたなんて。
「うん。
でも興味ないってずっと断ってた」
「頑なよね?
もし売れればバイトなんかより稼げるし
都心の高級マンション住めるのに」
「高級マンションに興味ないですし。
都心に移りたくないですし」
「侑真、その移りたくない理由聞いたとき初恋の子がどうとか言ってなかったか?
なのにアンタ、彼女つくったのか?」



