「……気付くの遅くてごめん。
だから久留米さんと勘違いして、日菜をたくさん傷付けた。
最初から……俺の気持ちは、日菜のことしか想ってなかったのに」
「……侑真くん…」
「許してなんて言わない。だけど…もう間違えない。
日菜が好き…日菜だけを愛してる」
その気持ちをぶつけるように、また抱きしめる力が強くなる。
それに応えるように、私も侑真くんの背中に手をまわした。
「……!
…日菜…?」
「私も……
私も、侑真くんのことが好きだよ」
そう言って、ぎゅっと腕に力を込めた時。
───ドン!──ドドン!
「……あ、花火…!」
教室を照らす明るい光と、大きな音にびっくりしてパッと離れた。
顔を見合わせると、
部屋は暗いのに、花火の光のせいで、お互いに顔が赤いのがバレてしまった。
「同時…だったかな?」
「……俺のほうが先に言っちゃったけど、
成功ってことでいいのかな?」
私から言うはずだったのに、侑真くんに先越されちゃったな。
でも、伝わったならなんでもいいや。



