それでも、あのジンクス通りになってくれたらいいなって思う。
久留米さんには悪いけど…。
「ねぇ、鈴原さん」
「……なに?」
「わたし、侑真くんに告白するよ。
花火が上がる時にね」
そう言われたとき、
まだ侑真くんと久留米さんは付き合ってないんだって、安心した。
「……私もするから」
「えっ?」
「ジンクス、どっちが叶うかな?」
望み薄だけど
今日を逃したら、もう二度と告白できないと思う。
挑発されても、今日だけは私も譲れない。
「……鈴原さん、侑真くんのこと好きなんだ?」
「うん」
「……」
久留米さんの問に頷いたら、
久留米さんは黙って私を睨みつけ、『ふんっ』と背を向けて去っていった。
……睨まれちゃった。
邪魔すんなって意味かな?
けど、ごめんね。
今日だけは、邪魔させてもらう。



