だから、私から言わせて。



「私と、別れてください。

私がまだ侑真くんを好きな以上、
侑真くんとは友達に戻ることもできない、から…

もう、会いたくありません…」


ベンチから立ち上がり、深々と頭を下げる。

怖くて侑真くんの顔を見れなかったから。

じんわりと目に浮かんだ涙を、見られたくなかったから。


「……本当に…友達でも、なくなる…?
……日菜は、もう、
俺に会いたくない……?」


侑真くんの声が震えてる。


侑真くん……ありがとう。

嘘でも、悲しんでくれて。


「うん」


最後は笑顔でって思って顔を上げる。

笑顔を、作ったつもりだったけど

目尻から我慢してた涙がこぼれ落ちた。


「……っ、
じゃあ、私、帰るから…

………久留米さんと、幸せにね」


『ばいばい』と最後に呟き、侑真くんに背を向けて私は公園を飛び出す。


さっきまで我慢できたはずの涙が、

決壊したみたいにボロボロと溢れ出して、止まらなかった。