「しょーとくん誰待ちぃ?」

「部活行かないの珍しいね。」

「誰も待ってないんだったらさ、私らと遊ばない?」

また、翔斗のファンの人だ。


胸がズキンとする。

やめてよ、翔斗に触れないで。

そんな近くに行かないで。


翔斗も、なんか言えばいいじゃん。

彼女待ってるって、言わないの?


筋違いだし、矛盾してるのはわかってるけどそう思ってしまう。

嫉妬って、このことだったんだ。


翔斗は彼女たちの問いかけを無視して、スマートフォンをずっといじっている。


「てかさ、私しょーとくんとLINE繋ぎたいんだけどぉ。」

「私もつなごーよ。」

私でさえまだ繋いでないのに…。

怒り気味に翔斗の所に進んで、

「ごめんなさい、そこ通らせてください。」

と言って自分の靴を履き替える。

上靴を靴箱に戻したタイミングで、肩が引き寄せられた。


「そんじゃ、俺こいつと帰るんで。」

一瞬スマホから目を離して彼女たちを一瞥した後、「行くぞ」と言って私を連れ出す。



何あれ、バカかっこよかったんだけど…。