付き合って一週間の日だった。


「今日の放課後、行きたい場所あんだけど。」

朝休みにそう言われてからずっとホワホワしたまますぎた退屈な六時間。


遂に放課後になって、その“行きたい場所”とやらに連れて行ってもらう時間が来た。


「じゃあ、下駄箱で待ってるから。」

SHRが終わって、掃除当番の私を残していそいそと教室から出ていく翔斗。


ちょっと照れてる感じがして、なんか可愛い。


早く終わらせたくて机を運ぶ手が早くなるのを感じる。


どこ行くんだろ。

無難に、コンビニとか公園かな?

それとも海とか? いや、もうそろそろ11月なのに流石にないよね。

近くにあるちっちゃな水族館?

水族館ってデートで行くのはあんまり良くないって聞いたことがあるけど…。


ってそうか、私たちデートじゃん!


恋人になって初めての…デート。


手、繋いだり…、夕日を眺めながら…、いや流石にないないない!


先行き過ぎ!


変な妄想を膨らませすぎていたせいか、時間の流れを気にしていなくて気づいたらもう掃除が終わっていた。


どくどくと音を鳴らしながら下駄箱に行くと、丁度翔斗と誰かが話しているところだった。