幼馴染、なんかじゃない

秋晴れが続く中、最悪の気分で迎える体育祭。

どうせ緋鞠は来てないだろうと思っていつもの待ち合わせ場所に行くと、驚くことに緋鞠はもうそこにいた。


篠原は?

緋鞠、あいつと付き合ってるんだろ。

「おはよっ! 今日体育祭だよ! 知ってる?知ってるか。」



「あぁ。楽しみだな。」
自分でも、棒読みになっていることはわかっている。



ハイテンションなのは彼氏がいるからか。

緋鞠に俺以外の彼氏なんて作らせないはずだったのに。

どんなことだって初めてするのは俺だって決めてたのに、先に行かれた。

虚しさだけが心に響く。


てか彼氏いるなら他の男と学校行ったらダメだろ。

篠原はそれを了承しているのか。それほど余裕だってことか。

そんな調子こいてたらすぐに取られるぞ俺に。

いくら彼氏持ちだからと言ってかれこれ10年拗らせてる初恋の女を諦めるわけがない。


「あとさ、ごめんね昨日。私、篠原くんと付き合ってないよ。」


突然そう言われて、一瞬思考が停止する。

「えっ…」


「だからさ、これからも、…っ翔斗の隣いるからずっと。」


…。

これはなしだろ。


いや、嬉しすぎるだろ。

緋鞠にしては生意気なこと言ってくるな。


でも、緋鞠が篠原を振った上に、こんなことまで言ってくるとは。


予想してなかったな。


今ニヤけてないよな俺。

「お前が篠原と付き合ってても俺はそうするつもりだったけど。」

緋鞠にこんなことを言われるのは嬉しいけど、俺が緋鞠に揶揄われているようでついそう言う。

すると顔を赤くした緋鞠が、こっちを睨んでくる。

普通に可愛いし。

「ちょっともうやめてよ!」

俺の背中を叩く緋鞠は、あたふたしているようで本当に可愛い。


もっと俺のことだけ考えていっぱいになればいいのに。