無事に中間テストが終わってからの十月下旬。



席替えがあって、私の隣は篠原くんという男の子になった。
でも肝心なのはそこじゃなくて、同じ班に翔斗と柚月がいること。



班での話し合いの時なんか合法的に授業中に翔斗と話せる機会だし、休み時間だって話す時間が増えた。

篠原くんはバスケ部の若きエースで爽やかな感じのイケメンくんで話しやすいし、柚月は相変わらずの仲。


こんな最高な席、ほんとに初めて。

今だって、班学習で席をみんなくっつけながら仲良く雑談をしている。


「緋鞠ちゃんと咲田は仲良いな。家族みたい。」

「まあそうだよな、緋鞠。俺らは幼稚園の頃から一緒だしな。この前だって俺の家きたしな二人で。」


「うん。楽しかったよ勉強会。あれのおかげで数学平均点超えれたし。」

「緋鞠ちゃー」

「篠原は緋鞠と初めて喋ったのはいつなんだ?」

「まあまあ、二人ともそこまでにして話し合おうよ。」



柚月が間に入ってよく途中で話は終わっちゃうけど、当の柚月は

「私いないと二人大喧嘩になってるんだからね?」
とよく分からないことを言っている。



二学期が終わったらこの席じゃなくなっちゃうんだと思うと今から寂しいけど、とりあえずそれまでは思いっきり翔斗との仲を縮めるぞ! と一人で意気込んでいるのは、絶対に翔斗には内緒。