あ、あー! どうしよめちゃくちゃ恥ずかしいことしてる。
ってことは自分でもわかる。でも、私はそれでも翔斗のベッドの上に座ってしまった。
う…なんか、なんの変哲もないベッドなはずなのに、ものすごく緊張する…。
いや、ほんとに。変態だ。私、ついに変態になった。
こんなことで喜ぶなんか、どんだけ頭おかしいの私!
自分を叱りながらも、やっぱり嬉しすぎて。
そのせいか、ドアが開く音に反応するのが遅れてしまった。
気づいた時には、もう遅い。
ダボっとした上下の服を着た翔斗と目が合う。
あ…最悪だ。
「おぉ?」
「や、や…柔らかいね、このベッド。うちのとは全然違うわ。」
緊張と焦りのあまり、とてつもなく変なことを口走ってしまった。
翔斗は一度後ろを振り返ってから、またこちらを見て
「だろ。」
と一言、言った。
ま、まあまあまあ、普通に私らこんなくらいの仲だし?
幼馴染だし?
こんくらいのこと、別に変ではないよね?
「じゃあ、ごめん勉強始めよっか。」
さりげなくベットから降りてから、鞄から問題集を取り出す。
「で、どこからわからないんだ?」
シャーペンの先をカチカチとしながら言ってくる翔斗。
「えっと…。」
「どうせ最初っから躓いてんだろ。」
「…はい」
「はぁ。」
「ちょっと、ため息つかないでよ!」
「まあ、はい。大問1から始めるぞ。1から。」
「うぅ…。」
そうして翔斗のスパルタレッスンが始まった。

