アリス人形

「──ッ!!!!!?」

あまりにも衝撃的な光景に、亜里珠は硬直してしまった。砂浜には亀の生首が落ちている。

「だって今、どーみても夕方だろーが!」

帽子屋は亀を見る気もせずに怒りに任せて口を動かす。
日はみるみる沈んでいく。帽子屋のいうとおり、本当に朝ではなく夕方のようだ。が、今の亜里珠にそんなことどうでもよかった。

頭の中がパニック状態。

目の前に首なし亀。
横には殺害した犯人。

「おい、聞いてんのか?」

帽子屋が亜里珠の肩に手を置くと、すぐさまその手は振り払われた。

「や!この人殺し!」