――パンパンッ

「きゃっ!」

祝福するクラッカー。亜里香が小さな悲鳴を上げた。

「「亜里香、誕生日おめでとう!」」

そう、今日は亜里香の7歳の誕生日。亜里香のすね顔が一気に明るくなった。

「きゃーありがとおっ!」

――ガチャ

その時、玄関の扉が開く音がした。

「すまない、遅れた!」

眼鏡を曇らせ部屋に飛び込んできたのは父だった。

「お父さん、遅い!」

私は腕を組み、頬を膨らませてみせた。

「悪い。ほら、ケーキだ。」

「「やったー!」」