アリス人形

「わっ…すごい。」

少年は言葉を失った。
そこは、一面色とりどりの野花が咲き乱れていた。

「な?綺麗だろ?」

ありすはとても嬉しそうに笑った。少年も笑う。

そして、野花に紛れて白い塊が動いていることに2人は気がついた。

「お、ウサギじゃん!」

ありすが指を差して声を上げた。確かに、よく見ると真っ白いウサギのようだ。

「   、行こうぜ!」

「おぉ!」

それが彼女──…ありすとの最後の会話になるなんて、想像すらしなかった。

シロウサギを追い掛けたら最後。

1つのものを追い掛けていたのにも関わらず、2人はバラバラになってしまったのだ。