アリス人形

チェシャ猫の声にアリス達は屋敷に向き直る。

──ギギギギ…ガシャン

扉はなんとも不気味な音を立て、開いた。

「あ、人がいるです!」

カナリヤが指差す先には、

「アリス!」

「シ、シロウサギ!?」

少し服が汚れてしまっているシロウサギがいた。シロウサギはアリスを抱きしめ、アリスはあまりにも突然のことに顔を赤くした。

「ごめんなさい、アリス。森が嫉妬して僕をアリスから切り離したらしいです。僕が…僕が傍にいれなかったせいで…」

シロウサギの声は震えていた。アリスはシロウサギの頭を撫でた。

「大丈夫だよ。この通り私は元気だし。」

「違います!僕が…守れなかったせいで…亜里珠を…死なせたっ……。」

「…──ッ!?」

シロウサギの言っていることがよく分からなかった。

「シロウサギィ、まだ間に合うから泣くんじゃないよぉ。」

と、チェシャ猫。アリスは何だか嫌な予感がし、後ずさった。

「どういう、こと?」

やっとの思いで絞りだしたアリスの言葉に、チェシャ猫はニヤニヤしながら聞き返してきた。

「アリスゥ、君は何のためにこの世界に来たのぉ?」

「それは…」