アリス人形

その時、限りない闇の空間に、光が生まれた。

「くっ!なんだこれは!!!!」

「こ、これは…」

「アリスの力…!?」

それは温かく、まるで母親に抱かれた赤子のように、その場にいた全ての者を包んだ。

眩しさでぎゅっと目を瞑る亜理珠に、そっと耳打ちするアリス。途端に、亜理珠の瞳からポロッと涙が零れた。

「今度こそさよならだ、レオ」

「……逝くのか?」

「…うん。」

光の中、帽子屋の傷がみるみる消えていく。それは帽子屋自身も感じ、同時に寂しさを覚えた。

「…アイリー」

「ん?」

ふらり。おぼつかない足取りで立ち上がった帽子屋は、瞳を薄らと、しかし、確実にアリスを捕え、見据えて優しく微笑んだ。

「…愛してた。お前を、心から。」

今度はアリスの瞳から涙が零れ、

「…私も。愛してた。」

頬を赤らめ、そして、消えてしまった。