アリス人形






「…それ、本当か?」

目を擦りながら、帽子屋は人馬に問いただした。

「本当よ。急がないと危険だわ。」

人馬は何やら唱え始め、指で空に円を書きはじめた。

それは、蒼白く光輝く大きな…──魔方陣。

やがて、それは白い扉を造り上げた。

「貴方も危ないわ。と、止めても…どうせ行くのでしょう?」

帽子屋は勢い良く頷いた。

「今はただ、あいつを救いたい。」

「…そう。では、お行きなさい。」