─ハートの城─
「シロウサギの力が弱まっていますわ。そろそろ、わたくしも戦わなくてはいけませんね。」
「馬鹿なことを!考え直せ!」
女王に立ちはだかるのは、まだ若さが残る背の高い国王。女王は顔の仮面にそっと手をあて、目を伏せた。
「王。わたくしは顔の半分が焼けただれたあの日、誓いましたの。命をかけてアリスをお救いすると。」
潤んだ瞳が一瞬王を捕えたが、すぐにそらされ、女王はその場を後にした。
「…わたしの愛しい妻よ。あのバラ園で誓ったではないか。共に平和で幸せな暮らしを築こうと。なのに…なのに何故お前が戦わくてはならないのだ!何故わたしでは駄目なんだ!ああ、アリスよ!!」
大きな手で自分の顔を覆った王だったが、涙までは隠せず、広い部屋の床に悲しみの落ちる音が響いた。
「シロウサギの力が弱まっていますわ。そろそろ、わたくしも戦わなくてはいけませんね。」
「馬鹿なことを!考え直せ!」
女王に立ちはだかるのは、まだ若さが残る背の高い国王。女王は顔の仮面にそっと手をあて、目を伏せた。
「王。わたくしは顔の半分が焼けただれたあの日、誓いましたの。命をかけてアリスをお救いすると。」
潤んだ瞳が一瞬王を捕えたが、すぐにそらされ、女王はその場を後にした。
「…わたしの愛しい妻よ。あのバラ園で誓ったではないか。共に平和で幸せな暮らしを築こうと。なのに…なのに何故お前が戦わくてはならないのだ!何故わたしでは駄目なんだ!ああ、アリスよ!!」
大きな手で自分の顔を覆った王だったが、涙までは隠せず、広い部屋の床に悲しみの落ちる音が響いた。


