氷の華とチョコレート


「……」


 上手い言葉が、見つからない。ただ、あなたと一緒にいたいだけなのに……。もう、誤解じゃなくて、そう言う気持ち、ちゃんと出来てますって、どう言えば伝わるだろう?


「……」


 見つめる、アーモンドチョコレートの瞳は、薄暗い車内で違う色に見えて、吸い込まれそうな気持ちになる。

 真間さんの大きな手が、私の頬に触れ…―――


「――…!?」


 やさしく重なるだけのKISSをくれた。


「氷室さん、お休み」


 あっ……。

 私を帰そうとしてくれる言葉。でもまだ、帰りたくない。楽しかった今日一日を、私は、まだ終わらせたくないのかも知れない。


「……」


 真間さんのこと、友達にいい人だって言ってもらえた。暁陽と菜摘のことを、真間さんにいい友達だと言ってもらえた。

 それがとても嬉しかった、だから…――