氷の華とチョコレート


「ぜ、全然、そう言う意味じゃないですよ?」


 真間さんが一番です! なんて、まだ軽口は言えないですけど……。


「二人とも、本当にいい友達で、……それで大好きなんです」


 必死で弁解する私に、真間さんは隣で楽しそうに、笑いながら運転した。帰路は、後ろの二人が寝ていたので、車内は静かで、ポツリ、ポツリと今日楽しかったことを思い出して、その時のことを真間さんと反芻しては笑って、いつものデートのようだった。


 そして…―――


「真間さん今日はありがとうございましたぁ!」

「また絶対、勝負してくださいよ?」


 二人のアパートに着いた。暁陽も菜摘も、真間さんに懐いた後輩みたいな感じで、別れの挨拶をしていた。


「今日はお疲れ様、また一緒に遊ぼうね」

「はい!」

「美羽経由で連絡します」

「暁陽と菜摘、今日はありがとう、また電話するね」

「うん、また泊まりに来て?」

「電話よこせよ?」


 暁陽と菜摘を、二人のアパートで下ろした後、車は、私のアパートへ向かう。


「……」


 二人がいなくなった車内は、さっきより静かに感じて……、なぜか緊張する。

 あ、れ?

 気のせいか、真間さんの顔が、疲れているように感じた。