氷の華とチョコレート


「実は二人とも、バーベキューの時や勝負の合間に、ちょっとずつ話しに来てたよ? 氷室さんのこととか、オレのこととか……」

「……」


 二人は、真間さんに何を言ったんだろう? 不意に、真間さんが、思い出したように吹き出した。


「お風呂で、暁陽くんに、……宜しくお願いしますって、頭まで下げられちゃったよ」

「えぇっ?」


 うわぁぁ、暁陽ったら、なにしてるの? ソレ、お父さんが、やるヤツみたいじゃない?

 私は、恥ずかしくなって、思い切りうつむいて目を閉じた。


「すみません! 二人とも心配してくれてて、他に変なこと言ってませんでした?」


 でも、そんな暁陽と菜摘の気持ちが嬉しくて、目の奥が熱くなる。


「うぅん、……二人とも、氷室さんのこと好きなんだね?」

「……!?」


 真間さんの言葉に、カァ、と全身が熱くなった。


「……は、ぃ、私も二人のこと大好きです」


 真間さんは、クスリと笑って


「なんか妬けるな」


 と言った。

 えぇっ? もしかして、誤解された?