氷の華とチョコレート


 きっと疲れていないはずは、ないと思うけれど、そう言う顔を見せない所が、営業さんだなぁと感心する反面、まだ私には、素を見せてはもらえないんだな、と言う寂しさが気持ちを支配する。


「オレの先輩と上司がスパルタなおかげなんだけどね?」


 先輩? 平井さんのことかな?


「スパルタなんですか?」

「オレが新人の頃は、やれ飲みだ、接待だ・ゴルフだ・サッカーするぞとか・仕事だから迎えに来いだ・ゲーム付き合え・麻雀覚えろ・メシ作れとか……、昼夜問わず引きずり回されて、寝る時間三時間もなかったな……」

「そんなに?」


 つい、びっくりして 大きな声をあげてしまい。私は、あわてて後ろを見て二人を起こさなかったか確認した。


「……三時間って、すごいですね?」

「ホント彼女も作る暇なかったよ、……まあ、その上司と先輩のおかげで今売り上げも作れてるから、必要だったってことかな?」


 あっ……。