氷の華とチョコレート


 私の言葉で、彼は私を放し、仰向けにベッドに転がると深いため息をついた。


「――…思いっきり、間違える所だった」


 えっ?

 私は、起き上がって、服と髪を整えながら真間さんを見つめた。

 チラッと私を見た彼は、恥ずかしそうに腕で顔を隠して口を開く。


「……会ったその日に、男を誘える子と間違える所だった」

「……」


 えっ? それって……。


「◎▼◇×@●□★△~っ!!??」


 わ、私、そんなこと真間さんに言ってしまったの!?


「……」


 うわぁぁぁぁっ、恥ずかしさで、死んでしまいそう!!

 両手で顔を隠して、固まる私の横で、真間さんが大きく息をつく。


「……何を、して欲しかったの?」


 えっ?

 天井を見つめたまま、真間さんが言う。


「……氷室さんは、どうしたくてオレを引き止めたの?」


 あっ……。