氷の華とチョコレート


「―――……っ!?」


 思い切り強く、真間さんの胸の中に抱きしめられた。


「何やってるの、本当に……」


 きつい言い方とは裏腹に、真間さんの胸の中は暖かくて、聴こえてくる心臓の鼓動が、私と同じくらいに速く、大きく響いていた。


「……」


 震えが止まらない私の身体が、強く、つよく、彼の胸の中に抱きしめられる。何故かそこは暖かくて、心地よくて……、さっきまでの彼とは全然違っていて……。いったい何が起こっているのか、わからなくて混乱した。


「……」


 聴こえる彼の心臓の鼓動と、ほのかに香る香水の匂い。何より暖かい、真間さんの腕の中で、少しずつ震えがおさまり、気持ちが落ち着いていく……。


「……真間さん、あの、すみませんでした」