氷の華とチョコレート


 ドキンッ、ドキンッ、ドキンッ…―――


 鼓動が、全身で高鳴っていた。

 シャツを脱ぐ、真間さんの顔が暗くてよく見えない。無言で腕時計を外している、横顔のシルエットが別人のように見えて怖かった。

 男の人って……―――

 はじめて見る男の人の裸、目のやり場に困って、私は、ギュッと目を閉じた。

 どうしよう、どうしよう、このままでは……。

 真間さんの大きな手が頬に触れて、優しく彼の唇が、私の唇に触れる。


 あっ……。


 目が合って、昼間の彼と違う眼差しに、胸の奥がギュッとして、すぐ近くに真間さんの体温を感じた。

 深く重なってくる唇が怖くて、身体中がガクガクと震えはじめる。

 息が、苦しい……。 

 このまま、彼と最後までいってしまって、本当にいいの?

 こんな風に、初めてをしてしまって……――――





「――…っ、……えっ!?」