氷の華とチョコレート


 私が、瑛生さんにされて嬉しいこと? って……、い、言わなきゃダメなヤツ?


「……っ」


 頭の中で、ぐるぐると思い出すだけでも恥ずかしい、あんな事やこんな事を、瑛生さんに言葉で伝えなきゃいけないの?


『だからさ、美羽も真間さんにして欲しい事とかあったら、ちゃんと自分の言葉で伝えるといいよ?』


 ついこの前の、るりの言葉を思い出してしまうけれど、イヤ、きっと今は、こう言う意味じゃないよね?


「……」


 瑛生さんにされて、嬉しいこと?

 ふと、初めて彼と過ごした、あの夜の事を思い出した。そう言えば、あんな風にしてもらったのは、最初の時だけだったかも知れない。でもそれはきっと、私が緊張しすぎていたから、落ち着かせるためだったのだろうけれど……。とても、大切にしてくれているように感じて、嬉しかった。


「ん? 美羽?」

「……えっと、こうやって」

「……?」


 私は、瑛生さんに真っ直ぐ向き直って、彼の胸の中に顔を埋めて、そのままギュッと抱きしめた。