氷の華とチョコレート


 彼女が何を言ったのかはわからない、私を落とし入れようとしたのだろうか? でもその内容を、彼である瑛生さんから聴かされるなんて、かなり最低な気分だ。


「……ごめんなさい、何だか巻き込んでしまって、こう言うの嫌ですよね?」

「美羽があやまることじゃないし、……ただ、本当に美羽は、目が離せない人だなって実感したよ?」


 瑛生さんの困ったように笑う顔がすぐ近くにあって、申し訳ない気持ちなった。


「……なるべく、目立たないように、地味に生きているつもりなんですけど」


 なかなか上手くいかない。誰もそっとしておいてはくれない。羨望も、好意も、妬みも、やっかみも、同じように降り注ぐ。


「まぁ確かに、オレの彼女に対して、あんまりな噂で嫌だから、早めに潰しておいたけど?」


 へ?

 イッキに、背中に冷たいものが、走ったような気がした。