氷の華とチョコレート


 確かに、付き合いはじめは、るりも色々悩んでいたので、わからないなりに、私も頑張ってお話を聞いていたと思う。今はそれさえも懐かしい。

 だから、そう言いつつも、幸せそうに笑うるりを見て、ホッとしていた。


「……るりも幸せそうで、嬉しいよ」

「うん、色々あったけどさ、傷の浅いうちに話し合うのが、大事だなぁ、って……、身に染みて思うようになったよ」

「……話し合い?」


 自嘲的に笑う、るりもめずらしくて。つい彼女の顔を見つめてしまう。


「うん、……きっと日比野さんだから、○○してくれるだろうとか? 確認してもないのに期待しちゃうヤツ?  根拠のない希望的観測とか、相手に求めちゃう所が無意識にあってさ……」

「うん?」


 な、なんだろう、難しいやり取り来た? しっかり聞かなくては……。