氷の華とチョコレート


「うん、お守り代わりに、お互いに贈ったヤツなの」


 突然の出張で会えなかった、瑛生さんとの初めてのクリスマス。その後、何とか時間を作ってくれて、プレゼントを渡してくれた彼を思い出して、気持ちが暖かくなった。


「……今、付き合ってどのくらいだっけ? 大事にされてるみたいで、まぁ良かったよ」


 るりは、そんな私を見て思ったのか、ニッと笑って、カクテルを一口飲んだ。


「……うん、九ヶ月かな? 忙しくてあんまり会えなくて、ちょっと寂しいけど……、るりこそ日比野さんとはもう何年、だっけ?」


 営業部の日比野さんは、穏やかなのほほんとした癒し系の男性だ。さっぱりとした、るりと合っていて、二人のお話を聞くのは楽しいし、お付き合いが、ほぼ初めてに近い自分には、本当にお勉強になる話が多い。


「今年で三年目かな? 最初はタイヘンだったのに、今じゃ波風なく、のほほんと付き合ってるよ」