氷の華とチョコレート


 何度か、繰り返すと、少しだけ楽になったような気がしてきた。ゆえに何度となく、深呼吸を繰り返す。


 そして、息を吐いた瞬間…―――


 「―――…ぃ、んっ!!」


 また、あの痛みが、私を襲った。


「……ぁ、ぁっ」


 痛みの後に、もの凄い圧迫感が身体を支配した。体の奥で、心臓が波打っているよう。

 うごか、ないで?

 彼の首元に回した腕にギューッと、力を入れて、心の中でお願いした。


「……ん、……ありがとぅ、美羽」


 瑛生さんがホッとしたように息をつき、彼の腕が強く、私を抱きしめる。体の奥が、いっぱいで、すごく熱い……。


「……」


 けれど、瑛生さんと、……ひとつに、なれた?

 そう思ったら、胸の奥がいっぱいになって、目の奥が熱くなった。しがみついていた腕を緩めて、彼の背を抱きしめた。


「えいき、さん……」

「……ん」


 しばらく、抱き合ったままでいてくれた。身体の奥が熱いままで、落ち着かなかったけれど、幸せな気持ちだった。