氷の華とチョコレート


 い、痛い……、ムリ、……かも。

 あまりの痛みに、瑛生さんの首元に回して来た腕にギュッと力が入る。痛すぎて、我慢しようとした身体が震えてくる。


「美羽?」


 涙目で見上げると、心配してくれた彼と目が合う、急いで頭を横に振って、無理そうなことを伝えてみた、けれど、瑛生さんは苦しそうに私を抱きしめた。


「……ごめん、あと少し、……だから」

「……んっ」


 私は、痛みを我慢するために、彼の首元に回した腕に力を入れる。前もって聞いてても、これは体感しないとわからない奴だった。

 瑛生さんの腕に力が入って、私を強く抱きしめた。


「美羽? 力を抜いて?」

「……っ」


 む、難しそう……、です。小さく、でも分かるように、頭を横に振る。


「……深呼吸して? ……オレを、受け入れて?」

「!?」


 彼の、言葉に、……私は、腕の力を少し抜いて、震えながら、ゆっくり息を吸って、吐いた。