氷の華とチョコレート


「―――…美羽、我慢」


 KISSに集中出来なくなってしまった私に、真間さんは、くすりと笑ってから、私の首筋に唇を這わせた。ゾクリッという感覚と、チリッとした痛みが首筋に走る。


「……んっ」


 彼とシーツの上で重ね合わせていた、片方の手に、ギュッと力を入れて、それを堪《こら》えた。


「……美羽」


 真間さんだけに、少しずつ、少しずつ許していく。私の身体の感覚が、くすぐったい、から、別のものに変わってゆく。


「……っ」


 自分が、自分ではなくなってゆくような感覚。

 彼の手が、指が、唇が、吐息が、触れたか所が……、切なくて……、苦しい。

 身体の芯が、ゆっくりと麻痺したように痺れていく。


「……は、ぁ」


 胸の奥が重く焼けるように熱くて、ジリジリとして、……息が、上手く出来ない。

 とけてしまった思考、視界がとても狭くなって、頭の中、真間さんでいっぱいになって、……くる、しい。

 切なくて、涙が出そう……。


「もっと、いっぱいになって?」