氷の華とチョコレート


 けれど、それは束の間の事だと知る…―――


 顔を上げた私の額に、真間さんの唇が優しく触れると、凪いでいた鼓動がうるさく鳴り始めた。

 そして、頬に触れた彼の唇が、ゆっくりと私の唇を割るように深く口付ける。


「……」


 息が、苦しい……。

 さっきした、あのKISSが欲しくて、私は彼の唇に応えていく……。まだ慣れない舌先の感触をたどる、……けれど。

 もっと、……もっと深く。

 思考の半分以上が、何処かへ持って行かれてしまったように、とけていた。


「……!?」


 KISSの合間、彼の指が、私以外誰も触れていない場所に、ゆっくりと触れてゆく。その指先が、触れたか所が……。


 く、くすぐったくて……、震える……。


 菜摘も、るりも、こんなこと教えてくれなかったから、わからない。


「……っ」


 どうしよう、……吹き出してしまいそう。