氷の華とチョコレート


 ちょうどバスルームから出て来た真間さんが、驚いた声をあげて部屋に戻って来た。


「……」


 彼の着たパジャマが懐かしくて……、照明が暗かっただけに、私は、その姿を見つめたまま固まってしまった。


「……美羽?」

「……」


 抱きついてしまいたい衝動にかられる。

 心配そうに私を見下ろす真間さんの顔が、目の前にあって、あわてて自分の頬を両手で叩いて、自分を取り戻した。


「すみません、……シャワーしてきますね」

「……う、ん」


 真間さんに何か言われる前に、急いでバスルームに駆け込んだ。こんな時に、言わない方がいいヤツだろうし……。

 緊張しながらも、あまりお待たせしないようにシャワーを済ませて、いつもは着ないワンピースタイプを着て、部屋に戻る。

 アロマライトがぼんやりと灯り、部屋にはローズウッドが優しく香る。ベッドサイドに座っていた真間さんが、薄暗くてもふんわりと笑っているのが見えた。


「いい香りだね」