氷の華とチョコレート


「……」


 誰にも迷惑をかけずに、やっと自立することが出来たのかな?

 祖母が亡くなってから、生活するのに手一杯で、やりたいことなんて、あまり考えたことがなかった。前に、真間さんや菜摘が言っていたように、これからは自分のやりたいことを探してみてもいいのかな……。

 不意に、ポンッと頭の上に真間さんの大きな手が乗って、私の頭をやさしく撫でた。

 えっ!?


「……ま、真間さん?」


 顔を上げると、私を撫でていた真間さんの手が、ゆっくりと背中に降りて来て、私を引き寄せる。


「……今まで、よく頑張ったね」

「……」


 ふんわりと抱きしめられ、耳元で響く彼の声が、あまりにも優しくて……。


「一人で、頑張ったね」


 彼の腕の中が暖かくて、私は、呆然と中を見つめた。


「……」


 こんな風に言ってくれた人は、初めてだ、嫌、今までこんなことを話す事がなかったから、当たり前なのだけれど。

 胸の奥がどんどんいっぱいになってゆき、目頭が熱くなった。


「一人じゃ、……ないです」


 私は、真間さんの胸に、ソッと手を添える。


「……?」

「長野での友達・バイト先の暁陽や菜摘・会社の同僚がいましたし、それに、……今は真間さんが、います」