私は、昔住んでいた、青い屋根の家を思い出していた。
冬は、雪深い所だったけれど、雪のない時期は、大きな木に、季節ごとにたくさんの鳥が訪れて囀り、庭には必ず季節の花々を咲かせていた。
料理好きのお母さんの美味しいご飯と、穏やかに笑う、庭いじりとアウトドアが大好きなお父さん。仲の良い家族だったと思う。
「はい、動物や自然を大事にする人達でした、よくキャンプに連れて行ってもらったり山に登ったりしました、両親はとても仲が良くて、年に一度必ず二人で旅行に行くんです」
「氷室さんをおいて、二人で?」
「はい、家族旅行以外に毎年必ず」
真間さんは少し驚いていたけれど、私は、そんな仲のいい二人が好きだった。
「ちょうどこの写真を撮った後の休みに、二人で出かけて、事故に遭って……」
「……」
あんまり突然のことに、実感が湧かず、涙も出なかった自分を思い出す。
「……それからずっと、一人で?」
「いいえ、高校を卒業するまでは祖母の家に、大学生になってからは一人暮らしで、お盆と正月に帰るくらいでした」
「……」
真間さんは、隣に置かれていた、祖母との写真たてを手にしていた。


