「……」
順番が来て、二人で並んでお参りを済ませる。石畳の階段を降りながら、真間さんに聞かれた。
「氷室さんは、何を願ったの?」
「……えっと、色々考えてたら、時間が無くなってしまって……、取りあえず、感謝くらいしか伝ええられませんでした」
「感謝?」
きょとんとした真間さんの顔が珍しくて、つい笑顔になってしまう。
真間さんに出会えたことに、ですよ? とは、恥ずかしくて言えませんが。
「真間さんは、何をお願いしたんですか?」
「……ん~? 絶対叶えたいから、内緒」
えっ? そう言うの、あるんだろうか?
「お願い事って、言わない方がいいんですか?」
「……う、ん? 前に誰かに聞いたような……、あんまり自信ないけど」
「ふふ……、じゃあ、真間さんの願い事が叶うといいですね」
真間さんは、少しだけ顔を赤くして、くしゃっと笑う。
「……うん、ありがとう」
お神酒代わりに、振舞われていた甘酒を頂いて、プレゼントのネックレスをつけてもらったり、たわいもない事を話しながら、私の家に向かった。
一つだけ、私も恥ずかしくて、彼に言えていないお願いがあった。
『ずっと真間さんと一緒にいられますように』
秘密にして叶うのなら、誰にも言わないでいたいと思った。


