氷の華とチョコレート


 時間になり神社へ向かうと、楽しそうに騒ぐ学生さんのグループや家族連れがすでに並んでいた。


「意外と混んでるんだね?」

「そうですね、でもほとんどこの辺の町の人だから、待っても15分くらいですよ?」


 丘の上に立つ小さな神社の石畳の上、お参りの行列の最後に並んで待つ。一年の終わりと初めに、家族以外の人と過ごすのは初めてで不思議な感じがした。

 栗栖さんと付き合ったのは夏だったし、暁陽と菜摘は実家に行かないとうるさいお家で一緒に過ごしたことはなかったし……。独りじゃない年越しも久しぶりだから嬉しい。



 急に、周りが楽しそうにざわざわし始めた。


「もう少しで明けるね」

「はい」


 真間さんの声で時計を見ると、もう59分で、秒針が半分を過ぎている所だった。前にいる学生さんたちがカウントダウンを始める声が聞こえる。

 不意に、握られた手に、ドキッ、として顔を上げると。

『ハッピーニューイヤー!!!』と、楽しそうな声をバックに、耳元で真間さんの声が響く。


「誕生日、おめでとう」