氷の華とチョコレート


「真間さんのおかげかな?」


 菜摘の声が優しく響く、もう、彼女は私にとってお姉ちゃんかお母さん並みに、ストレートな愛情をくれる。けれど、きっとそれは、暁陽のおかげなんだろうな。


「……二人とも、ありがとう」


 暁陽のくれたタオルに顔を押し付けて、そっと目に当てる。あまり泣かないで済んだみたいだ。

 誰かを想って泣きそうになるのは、菜摘が言うように初めてのことで、戸惑ってしまった。けれど、それが全然嫌じゃないと言う事が、なぜか嬉しかった。


「……仕方ねぇな、今日は泊まってくんだろ? 遅くまで飲んでやるよ」


 あわててタオルを差し出した照れ隠しなのか、大袈裟に言う暁陽が、まさか私を泊めようとしてくれるだなんて……、やっぱり優しい。


「えっと……、大丈夫、今日は帰るね」

「えっ? 泊まるのかと思ってた」


 菜摘が、抱きしめる腕を緩めて私を見た。

 二人のクリスマスを、邪魔し続けてしまった私だけれど、やっぱり今日くらいは……。